ウレタン塗料とは?特徴やメリット・デメリットを解説

ウレタン塗料

ウレタンとは『ポリウレタン』のことを指しますが、ウレタン塗料は『ポリウレタン樹脂塗料』と呼ばれることがあります。

ウレタン塗料はグレードがアクリル塗料より高く、シリコン塗料より低い塗料です。

シリコン塗料やフッ素塗料が登場するまではよく使われていましたが、今では他にも断熱や光触媒塗料など様々な機能を持つ塗料が登場しており徐々に使われる機会は減っています。

そのような状況でウレタン塗料を使うメリットはあるのか疑問に思っているかもしれません。

本記事ではそのような疑問にお答えするべく、ウレタン塗料の特徴やメリットデメリットなどをまとめてお伝えします。

この記事のポイント
  1. ウレタン塗料はひび割れに強く比較的安い
  2. 一方で、耐用年数が短く汚れやすい
  3. 屋根を安く塗りたいならマッチする塗料
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目次

ウレタン塗料とは?どんな塗料か特徴を解説

ウレタン塗料の特徴

ウレタン塗料の特徴や種類をご紹介します。

ウレタン塗料は弾性があり密着度が高い塗料

ウレタン塗料は塗料の主成分である樹脂に『ポリウレタン』が使われている塗料です。利用できる部位が広く利便性が高いことから以前は外壁塗装の塗料として人気でした。

令和時代ではシリコンが外壁塗装の主な塗料として活躍していますが、ウレタン塗料は価格の安さや利便性の高さから今でも選ばれるケースがあります。

また、シリコン塗料と比較して弾性があり密着度が高いのが特徴です。

ウレタン塗料が採用される場所は付帯部分が多い

ウレタン塗料は、費用を抑えるために、鉄扉・玄関枠・雨樋などの付帯部分の場所に採用されることがあります。

しかし、シリコン塗料に比べてウレタン塗料は耐用年数が短いため、塗り替え時期が早まる可能性がありますので、注意が必要です。

最近では採用されなくなったウレタン塗料

15年以上前まではウレタン塗料が塗装の主流でした。

しかし今では、シリコン塗料の開発が進み、多様性やコストパフォーマンスの面から、シリコン塗料が主流となり、ウレタン塗料はほとんど使われなくなりました。

ウレタン塗料の種類

アクリル塗料は水性1液型のものがほとんどですが、ウレタン塗料は主に以下の3種類があります。

  1. 水性1液型
  2. 油性1液型
  3. 油性2液型

まず水性と油性の違いですが、水性は油性と比較してニオイが少なく環境に優しいのが特徴です。一方で、油性は耐久力が高く耐用年数が長いため、水性より価格が少し高くなります。

次に、1液型と2液型の違いですが、1液型は水性の場合は水、油性の場合はシンナーを入れて溶かすだけで使えますが、2液型は塗料と硬化剤を混ぜてから溶剤(シンナー)を入れて溶かす必要があります。

2液型の方が職人さんにとっては扱いが難しく手間がかかりますが、その分耐久性があるため使用できる範囲が広くなります。

また、ウレタン系のスプレーはホームセンターで購入できますので、DIYで簡易的に使用できますが、外壁への使用はおすすめできません。

ウレタン塗料のメリットデメリット

ウレタン塗料のメリットデメリット

ウレタン塗料のメリットとデメリットをそれぞれ解説します。

ウレタン塗料のメリット

ウレタン塗料のメリットは以下の通りです。

  • 価格が安め
  • 光沢が美しい
  • 扱いやすい
  • ひび割れに強い
  • 汎用性が高く使用している職人が多い
  • 次回の塗装時に手間がかかりにくい
  • 種類が多い
  • 耐薬品性が高い
  • 硬化剤で作用が変化する

それぞれのメリットについて詳細をお伝えします。

価格が安め

ウレタン塗料はアクリル塗料に次いで安い塗料です。外壁や屋根を塗装したいけれども予算は低めに抑えたいという方に向いています。

塗料の種類1㎡あたりの価格
アクリル塗料1,400円〜1,600円
ウレタン塗料1,700円〜2,200円
シリコン塗料2,300円〜3,000円
ウレタン塗料と他の塗料の価格比較

特に屋根の塗装は耐久性の問題からアクリル塗料が使われることは基本的にないため、屋根塗装を低予算で行いたいというニーズにマッチします。

光沢が美しい

ウレタン塗料は高級感があるツヤが売りの塗料です。綺麗な光沢は家具やフローリングの仕上げなどにも使われています。

ツヤを抑えめにしたいという方はツヤを抑えたタイプも選択でき、ツヤのレベルも選択できるため広いニーズに応えることができる塗料です。

扱いやすい

ウレタン塗料は柔らかくて扱いやすい塗料です。作業性がよく、業者の技術力によって品質が左右されにくいメリットがあります。

ひび割れに強い

ウレタン塗料の一番の特性といっても過言でないのが弾性があることです。そのため、モルタルやコンクリートなど比較的ひび割れしやすい外壁に適しています。

柔らかく伸縮性に優れているので、地震や台風、気温の変化による伸縮や木造新築で起こる木の動きにも対応をしてくれます。

ただ、近年では他の塗料でも弾性を付与しているものが増えてきています。

汎用性が高く使用している職人が多い

ウレタン塗料はアクリル塗料と同じく使われてきた歴史が長いことに加え弾性が高く塗料の種類も豊富なため、外壁や屋根の素材を問わず広く使われる汎用性が高い塗料です。

そのため、ウレタン塗料を使ったことがある職人さんは多く、知識があり技術を持った方が多くいます。多くの方が使っているということはそれだけ情報があり、知識や経験不足の失敗を回避しやすいとも言えます。

次回の塗装時に手間がかかりにくい

ウレタン塗装の弾性が高くひび割れしにくい特徴は次回のメンテナンスにも活きます。傷に強く下地への影響が少ないことから次に塗装するときも手間がかかりにくいのです。

種類が多い

ウレタン塗料はひと昔前までよく使われていた塗料だったため、種類が豊富です。水性、油性以外にも、遮熱塗料など機能を付与したタイプがあります。

もちろん、カラーバリエーションも多くツヤの強さやツヤなしなども選べる塗料が多いため、色などデザインや外観にこだわりたい方にはメリットがあります。

耐薬品性が高い

ウレタン塗料は耐薬品性が高いため、工場地域など外壁が化学物質で汚染されやすい環境に適しています。

硬化剤で作用が変化する

ウレタン塗料は、硬化剤の種類を変えると様々な作用を発揮します。弾性系の硬化剤を使用すると、柔軟性のある塗料に変化し、低汚染性の硬化剤を使用すると、汚れが付着しにくい塗料に変化します。

立地条件や用途によって使い分けできることはメリットです。

ウレタン塗料のデメリット

ウレタン塗料のデメリットは以下の通りです。

  • 耐久性が低め
  • 長期的には費用が高くなる
  • 毒性のある配合成分がある
  • 紫外線の影響を受けやすい
  • 汚れやすく光沢維持期間が短い
  • 湿度の高い環境に向かない
  • 油性のものはニオイが強い
  • 塗膜が黄変することがある
  • 水分との相性が悪い
  • 2液型の場合は扱いにくい
  • 塗料の貯蔵が難しい

それぞれのデメリットについて詳細をお伝えします。

耐久性が低め

ウレタン塗料はおおよそ8年〜10年ほどの耐用年数であり塗料の平均的な耐用年数である10年を下回っているところがデメリットです。

薬品には強いですが、基本的に防汚性は高くありません。ただ、防汚性を高めたウレタン塗料も登場しています。

長期的には費用が高くなる

ウレタン塗料はアクリル塗料の次に価格が安いですが、耐用年数が短めなので何度か外壁や屋根を塗り替えする前提で考えた場合トータルの費用は高くなります。

理由は、外壁塗装の費用を全体で見たときに塗料は2〜3割ほどで他の人件費、足場代、材料などの運送費などその他の費用の方が高く、シリコン塗料やフッ素塗料に比べて何度もこの費用がかかるからです。

毒性のある配合成分がある

ウレタン塗料にはイソシアネートという毒性がある成分が含まれています。

そのため、環境に配慮する意識が強くなっている現代では近隣にお住まいの方のことを考え、使われることが少なくなっています。

紫外線の影響を受けやすい

ウレタン塗料に含まれるイソシアネートは紫外線に弱い性質があります。そのため、紫外線によって黄ばんでしまうことがあります。

ただ、近年では塗料も改良されているため、黄ばみにくくなってきてはいます。

汚れやすく光沢維持期間が短い

ウレタン塗料はシリコン塗料と比較すると8割ほどの光沢維持期間です。つまり、光沢に関しての経年劣化が早いです。

これは耐候性が低めで紫外線によって劣化しやすいことも関係しています。

湿度の高い環境に向かない

ウレタン塗料に含まれる硬化剤は水と反応しやすい性質があります。そのため、湿度が高い環境で使うと塗料の性能が落ちてしまう可能性が高くなります。

油性のものはニオイが強い

これは他の塗料にも言えることではありますが、油性のウレタン塗料を使った場合はシンナーで希釈するため、強いニオイが発生します。

そのため、住宅地にお住まいの場合、近隣住民の方への配慮からニオイが出にくい塗料を選択される方もいます。

塗膜が黄変することがある

ウレタン塗料の塗膜を切断すると、切り口が黄変することがあります。美観が損なわれる可能性がありますので、注意が必要です。

水分との相性が悪い

ウレタン塗料に含まれる硬化剤が、水分と反応しやすい性質があるため、湿度が高い時期に塗装してしまうと、本来の耐用年数が発揮できない可能性があります。

2液型の場合は扱いにくい

2液型(硬化剤使用)の場合は、主剤との比率が重要です。また混ぜ込みが不十分だと硬化不良を起こします。職人の経験値によって品質が左右されるため、注意が必要です。

塗料の貯蔵が難しい

工期が長い場合、使いかけの塗料を貯蔵する必要があります。密閉が不十分だと変質しまうため注意が必要です。

ウレタン塗料の耐用年数や価格相場と他の塗料の比較表

スクロールできます
塗料の種類耐用年数1㎡あたりの価格特徴
アクリル塗料5年〜7年1,400円〜1,600円種類が豊富
安価
ウレタン塗料8年〜10年1,700円〜2,200円扱いやすい
高級感がある
シリコン塗料10年〜15年2,300円〜3,000円ランニングコストが低い
扱ってる業者が多い
フッ素塗料15年〜20年3,800円〜4,800円耐用年数が長い
ウレタン塗料と代表的な塗料との比較表

ウレタン塗料の耐用年数は8年〜10年ほどで1㎡あたりの価格は1,700円〜2,200円ほどです。

アクリル塗料より価格は高く耐用年数も長いですが、主流のシリコン塗料と比べると耐用年数は短い特徴があります。

ウレタン塗料がおすすめの方

ウレタン塗料がおすすめの方は以下の通りです。

  1. 塗装費用を安くしたい方
  2. 高級感を出したい方
  3. 美観をこまめに変えたい方

それぞれについてご説明します。

塗装費用を安くしたい方

ウレタン塗料はシリコン塗料に比べて安いため、塗装費用を抑えたい方にはおすすめです。

高級感を出したい方

ウレタン塗料は光沢のあるツヤが出る塗料ですので、高級感を出したい方はおすすめです。

美観をこまめに変えたい方

ウレタン塗料はシリコンに比べて安いため、外壁の美観をこまめに変えたい方はおすすめです。

ウレタン塗料をおすすめしない方

ウレタン塗料をおすすめしない方は以下の通りです。

  1. 長期的に建物を使用する方
  2. 美観にこだわりがない方

それぞれについてご説明します。

長期的に建物を使用する方

長期的に建物を使用する方は、耐用年数の長いシリコン塗料などを使用した方がランニングコストが抑えられます。

外壁塗装は塗料以外にも人件費や足場代などの費用が発生するため、耐用年数が長い塗料を使用した方が長い目で見たときに塗料以外の費用を抑えることができます。

美観にこだわりがない方

外壁など美観にこだわりがない方は、ウレタン塗料では耐用年数が短いため、耐用年数の長いシリコンなどをおすすめいたします。

主要メーカーのウレタン塗料

ウレタン塗料の主要メーカーの商品をお伝えします。

日本ペイント

日本ペイントの水性ウレタン塗料には、

  • オーデフレッシュU100Ⅱ
  • DANエクセル水性ウレタン上塗

などがあります。

油性ウレタン塗料には、

  • ニッぺ低汚染性ファインウレタンU100
  • ニッぺ弾性ファインウレタンU100
  • ニッぺ1液ファインウレタンU100

などがあります。

エスケー化研

エスケー化研の水性ウレタン塗料には、

  • 水性コンポウレタン
  • 水性弾性コンポウレタン

などがあります。

油性ウレタン塗料には、

  • エスケー一液NADウレタン
  • 一液マイルドウレタン
  • グリーンマイルドウレタン
  • 弾性グリーンマイルドウレタン

などがあります。

関西ペイント

関西ペイントの水性ウレタン塗料には、

  • コスモレタン
  • アレスアクアレタン

などがあります。

油性ウレタン塗料には、

  • アレスエコレタンⅡ
  • セラMレタン
  • セラMレタン弾性

などがあります。

ウレタン塗料のよくある質問

ウレタン塗料のメリットは?

価格が安くひび割れに強い、また汎用性が高いのもメリットです。

▶︎ メリットはこちら

ウレタン塗料のデメリットは?

耐用年数が短く紫外線に弱い、また毒性成分があるのもデメリットです。

▶︎ デメリットはこちら

ウレタン塗料の安全性は?

溶剤系の塗料ですので毒性はあります。近年では弱溶剤系が主流なため安全性は高まっています。

ウレタン塗料の特徴は?

利用できる部位が広く利便性が高いのが特徴です。

ウレタン塗料の密着性は?

柔軟性があるため密着性は高い塗料です。

ウレタン塗料を外壁の一部に使うことはできる?

基本的に可能です。ただ、グレードや種類の違う塗料を使う場合ツヤや色の差などが出るため、疎(まば)らにならないように経験が豊富な工務店に依頼するのが大切です。

ツヤのありなしで塗料の性能に差はある?

ツヤがあるウレタン塗料の方が防汚性や耐水性に優れています。

シリコン塗料と比べてウレタン塗料が優れている点はある?

シリコン塗料と比べてウレタン塗料の方が弾性がある点、価格が安い点が優れています。

アクリルウレタン塗料との違いは?

アクリルウレタン塗料はウレタン塗料の一種です。ウレタン塗料のポリウレタンは『イソシアネート』と『ポリオール』が反応してウレタン結合した樹脂ですが、『ポリオール』ではなく『アクリルポリオール』と反応させたものがアクリルウレタンです。

まとめ

ウレタン塗料は弾性があり、耐候性が求められアクリル塗料では適さない屋根にも使える塗料です。

アクリル塗料と比べて価格は高い(1,700円〜2,200円/㎡)のですが、耐用年数は長い(8年~10年)ので、コストパフォーマンスは上がります。

また、シリコン塗料と比較して弾性に優れているので、モルタルやコンクリートなどのひび割れを気にするのであればメリットがある塗料と言えるでしょう。

ウレタン塗料は安いからダメというわけではなく向き不向きがありますので、ご自身の家の外壁素材や予算などを踏まえ工務店の方と相談の上、使うメリットがあるか確かめるのが外壁塗装を成功をさせるためには重要です。

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