瓦屋根葺き直しの費用はいくら?失敗を避けるコツやメリットデメリットを解説

瓦屋根の葺き直し

「瓦屋根は葺き直しで修理できるって聞いたけど、費用はいくらかかるの?」

と気になっていませんか?

屋根の瓦の葺き直しの費用相場・価格は、30坪でおおよそ100万円〜200万円です。

瓦屋根の葺き直しを行う場合、瓦の種類によっては葺き替えの方が適しているケースもあり、葺き替えより費用が安いから、と工事をすると失敗する可能性があり注意が必要です。

瓦屋根の葺き直しで失敗しないように、費用相場・価格と合わせて、どのような工事なのか、メリットやデメリット、工程や期間、失敗しないポイントなどをまとめてお届けします。

この記事のポイント
  1. 葺き直しの費用相場は100万円〜200万円(30坪)
  2. 葺き直しの費用が安いのは瓦を再利用するから
  3. 瓦の種類によっては葺き直しが適さないこともある
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目次

瓦屋根の葺き直しはどんな工事?

葺き直しを検討するのか初めてという方のために、瓦屋根の葺き直しがどんな工事なのか、特徴、屋根材が瓦であっても適さないケース、葺き直しを検討する時期の目安をお伝えします。

瓦屋根の葺き直しの特徴

葺き直しは、瓦屋根のメンテナンス・修理をするリフォーム工事の1つです。

瓦などを一度撤去し、屋根の上にのっている下地(野地板)を修理・補強、場合によっては張り替えし、防水シートを敷き直し、桟木(さんぎ)という瓦を支える木を打ち、再び瓦をのせて、釘やビスで固定します。

一度撤去した瓦は、水切りの部分を掃除したり、瓦を1枚1枚叩いて割れていないかチェックします。割れていたり、割れそうな瓦は新しい瓦と交換します。

屋根材を新しいものを交換する葺き替えと比較して、屋根材の費用を抑えられるものの、瓦でしかできない工事です。

瓦の種類によっては葺き直しが適さないことがある

屋根瓦には、

  1. 粘土瓦
  2. セメント瓦
  3. 金属瓦

などの種類があります。

このうち、葺き直しが適している瓦は、粘土瓦です。

セメント瓦は、塗装によって防水性を確保しているため、塗り替えが必要です。

塗り替えと葺き直しを行った費用と、葺き替えの費用を比較すると同じくらいの金額になるため、コストパフォーマンスが悪くなります。

それ以外にも、セメント瓦の耐用年数が30年〜40年ほどなので、耐用年数も考えると総合的に見て葺き替えの方がメリットが大きくなります。

また、金属瓦は、剥がす際に変形してしまい再利用が難しいため、葺き直しより葺き替えの方が適しています。

瓦屋根の葺き直しを検討する時期は?

台風による破損など、突発的な出来事がなければ、瓦屋根の葺き替えを検討する時期の目安は、築年数はおおよそ30年〜40年です。

理由としては、一般的なグレードの防水シートや野地板(下地)の耐用年数が30年ほどであるためです。

もちろん、ハイグレードな防水シートであれば、耐用年数が50年超のものもあるため、あくまでも目安としてご覧下さい。

先ほど、葺き直しは粘土瓦が適しているとお伝えしましたが、粘土瓦は以下の通り3種類あります。

  1. 釉薬瓦(陶器瓦)
  2. 無釉瓦(素焼き瓦)
  3. いぶし瓦(燻製瓦)

一番丈夫な釉薬瓦(ゆうやくがわら)は、耐用年数が50年〜100年、質によっては半永久的であると言われることもあるほど丈夫です。

一方で、無釉瓦、いぶし瓦の耐用年数は、おおよそ30年〜50年です。

釉薬瓦の場合、防水シートや下地が先に痛みますし、無釉瓦、いぶし瓦も耐用年数が近くなるため、築30年を目安に点検を受けてみましょう。

瓦屋根の葺き直し工事の費用相場や見積もり一例

瓦屋根の葺き直し工事の費用相場と合わせて、見積もりの一例をお伝えします。

瓦屋根の葺き直しの費用相場

瓦屋根の葺き直しの費用相場は30坪のご自宅の場合、おおむね100万円〜200万円です。

屋根材の費用はかからないものの、瓦を外して点検・掃除に加え再度のせる手間がかかるため、施工費用がかかります。

具体的な見積明細をご覧いただいた方がイメージをしやすいと思いますので、一例をお伝えします。

瓦屋根の葺き直しの見積もりの一例

スクロールできます
項目単価数量単位金額
足場700円200140,000円
養生シート200円20040,000円
瓦撤去費2,000円130260,000円
瓦桟木1,000円130130,000円
防水シート600円13078,000円
下地2,000円130260,000円
瓦葺き直し施工費5,000円130650,000円
棟部分施工費2,500円16m40,000円
軒先施工費2,000円39m78,000円
諸経費・管理費7%117,320円
小計1,793,320円
合計(税込)10%1,972,652円
瓦屋根葺き直しの見積もりの一例

こちらが、瓦屋根の葺き直しの見積もり一例の表です。

屋根の工事は基本的に足場が必要で、飛散防止のために、メッシュの養生シートがかけられます。

あまり聞きなれない言葉かもしれませんが、棟は屋根の天辺部分のことで、軒先は屋根の先っぽのことです。

工事を行うためには、材料の運搬費用などの経費が必要になるため、諸経費・管理費という項目を使って見積もりを出す業者もいます。10%前後が一般的です。

瓦屋根の葺き直し工事のメリット

瓦屋根の葺き直し工事のメリットを一言でお伝えすると、経済的でエコであることです。

  1. 瓦を再利用するためコストが抑えられる
  2. 環境への負荷が比較的低くエコである
  3. 屋根の外観が変わらない

これらのメリットについて具体的にお伝えします。

瓦を再利用するためコストが抑えられる

瓦屋根を葺き直しする最大のメリットは、瓦を再利用するため、屋根材の材料費がほぼかからないことです(ただし、瓦をのせかえる施工費はかかる)。

特に瓦は質が良い粘土瓦だと、他の屋根材と比較して高価です。

例えば、1㎡あたり10,000円の瓦を120㎡敷いた場合、屋根材だけで120万円かかります。

割れや欠けなどがある瓦は交換が必要ではありますが、屋根材の費用を抑えられるのは非常に経済的です。

また、屋根材以外にも廃材がほぼでないため、廃材の処分費用も抑えることができます。瓦の処分は30坪でおおよそ15万円前後なので、かなりお得になります。

環境への負荷が比較的低くエコである

屋根材を入れ替える葺き替えをした場合、廃材が出ますが、廃材の処分には運搬用のトラックが必要で、運搬のために排気ガスが出ます。

また、瓦は園芸用の砂利として再利用されるケースもありますが、処理される際には、砕いて埋め立てる形で処分されます。

近年、温室効果ガスの削減を目指すカーボンニュートラルが、地球の環境を考える上で重要な課題として上がっていますが、排気ガスをほんの少しですが、減らせるのはエコであると言えるでしょう。

埋め立てに関しても、日本の限りある土地使うことになるので、できるだけ埋め立てをしない方が地球に優しいと言えるのではないでしょうか。

屋根の外観が変わらない

葺き直しは、現在の瓦の点検や掃除をして、綺麗になったを瓦を再びのせる工事です。

そのため、屋根の外観を変えたくないと考えている方にとっては、瓦屋根の葺き直しはメリットがあります。

瓦屋根の葺き直し工事のデメリット

瓦屋根の葺き直し工事のデメリットは、状況に応じて様々ですが、特に注意したいのが、依頼する業者によって発生するデメリットです。

  1. 破損していた瓦と同じ瓦が用意できないケースがある
  2. 他の屋根材への葺き替えと比較することが難しい
  3. 外観を変えられない

これらのデメリットについて具体的にお伝えします。

破損していた瓦と同じ瓦が用意できないケースがある

屋根瓦の葺き直しでは、築年数が古い場合、欠けや割れがあり破損している瓦と同じ瓦が製造中止になっており、用意できない可能性があります。

知識があり段取りの良い業者であれば、葺き直し工事の施工前に、屋根を点検する段階で気づきますが、業者が調べておらず施工中に発覚した場合、問題になるため、事前に業者に確認しておきましょう。

他の屋根材への葺き替えと比較することが難しい

屋根の工事は複雑で、屋根材によって、専門の業者が異なります。

スレート屋根材は扱える業者が多いですが、板金業者は金属屋根が専門で、瓦は専門外です。瓦には瓦専門の瓦葺業者がいます。

そのため、瓦屋根の葺き直しと、金属屋根への葺き替えを比較したいと思ったときに、瓦葺業者は葺き直しをすすめ、板金業者は金属屋根への葺き替えをすすめるといった状態が発生します。

瓦と金属の両方に精通している業者は少ないため、情報にバイアスがかかり比較しにくいのが、デメリットと言えるでしょう。

このような事態になった場合、両者とも施工できるスレート屋根について、双方の業者に聞いてみるのも1つの方法です。

外観を変えられない

先ほど、メリットでお伝えした部分の裏返しですが、外観を変えたいと思ってる場合は、瓦を再利用する葺き直しはデメリットになります。

瓦屋根の葺き直し工事の期間、工程・流れは?

瓦屋根の葺き直しの期間は、おおよそ7日〜10日ほどです。工程・工事の流れは以下の通りです。

STEP
足場の設置

屋根の葺き直し工事は基本的に足場が必要です。足場以外にも、ホコリや屋根材以外の廃材の飛散を防ぐために、養生シートを設置します。

STEP
既存の瓦の撤去

現在の屋根瓦や、天辺にある棟瓦を撤去し、防水のために詰めてある漆喰も剥がします。

瓦は撤去された後に、破損がないか点検、掃除されます。

STEP
土の撤去(土葺き)の場合

防水シートが開発される前の屋根は、瓦の下に土が敷かれている土葺きです。この土を撤去します。

比較的新しい家の場合、桟木(さんぎ)という屋根瓦を支える木と防水シートが敷かれているので、これらを撤去します。

STEP
下地の補修

屋根の枠組みの上にのっている、野地板という下地を補修します。野地板の劣化状態によって、重ね張りなのか、張り替えなのかを選択します。

野地板の張り替えは大掛かりな作業で、費用も高いため、工事の割合としては重ね張りの方が多いです。

STEP
防水シートや瓦桟木の設置

下地の補修が終わったら、防水シートを敷き、瓦を支える桟木を設置します。

土葺きの屋根だった場合、屋根の重量が約1/2まで減ることもあり、軽くなるので耐震性が増します。

STEP
瓦の葺き直し

瓦を葺き直し、釘やビスで固定します。

STEP
棟瓦周辺の漆喰を詰め直す

屋根の天辺にある棟瓦に漆喰を詰め直し、棟瓦を固定、防水性を復活させます。

STEP
葺き直し完成後、足場解体と清掃

葺き直しが終わったら、足場を解体し、周辺を清掃して工事は終わりです。

瓦屋根の葺き直しで失敗を避けるコツ

瓦屋根の葺き直しで失敗を避けるためには、

  1. 必ず瓦葺業者に依頼する
  2. 他の工事や素材と比較する
  3. 相見積もりを取る

この3つが大切です。

具体的にどのような内容なのか、お伝えします。

必ず瓦葺業者に依頼する

既にお伝えの通り、屋根の工事に関する業者は、板金業者、瓦葺業者、塗装業者など様々です。

各業者には専門があり、瓦の専門は瓦葺業者なので、葺き直しを依頼するなら、瓦葺業者に依頼しましょう。

瓦の歴史は長く、基本的に業歴が長い業者も多いですが、それだけではなく、ご自身の依頼に耳を傾け、専門的な観点から、希望を叶えるためにコミュニケーションを取れる業者を選ぶことが大切です。

他の工事や素材と比較する

屋根全体を修理する方法は、葺き直し以外にも、葺き替え、カバー工法があります。

瓦屋根は、屋根がフラットではないことが多いので、平たい屋根でないと施工が難しいカバー工法は基本的に採用できません。

葺き替えであれば、スレートや金属、アスファルトシングルなど他の屋根材と比較することも可能です。

費用は高くなる可能性もありますが、外観の変更、耐震性などの観点から、他の屋根材と比較した方が、失敗は少なくなる可能性が高いと言えるでしょう。

相見積もりを取る

工事金額は、不動産と同じように言い値で決まります。そのため、相場を理解していないと、割高な金額を提示されても気づかず、失敗することがあります。

相見積もりを取れば、自社で仕事を取るために、割高な金額は出しにくく、競争原理が働きできるだけ安い金額を提示するように業者が努力するため、金額面で失敗しにくくなります。

相見積もりサービスを使えば、工事の質の面でも、手抜き工事をするような悪徳業者は事前に除外されるため、失敗する要素が少なくなりおすすめです。

まとめ

屋根の葺き直しは、瓦にしかできない工事で、屋根材である瓦再利用して、材料費や廃材の処理費用を抑えることができるお財布にも、環境にも優しい工事です。

そのため、費用相場も屋根全体を入れ替える葺き替えより安く済みます。

ただ、瓦に破損があり、同じ瓦が生産中止になっているなどトラブルが起こる可能性があります。

失敗しないためにも、優良業者が選別されている相見積もりサービスを利用して、業者や費用を比較して、相場を理解することが大切です。

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