失敗しない屋根のカバー工法!費用相場やメリットとデメリットを解説

屋根のカバー工法

屋根のカバー工法を検討してるものの、失敗しないか不安に感じていませんか?

家のリフォームの回数は、人生の中で数えるほどしかしない人の方が多いため、「失敗しないように…」と慎重になるのは当然のことだと思います。

本記事では、屋根のカバー工法で失敗しないために、おさえておきたい特徴、費用相場、メリットとデメリットなどをまとめてお伝えしています。

屋根のカバー工法を成功させたいとお考えの方は、ぜひ参考にしてみて下さい。

この記事のポイント
  1. 屋根重ね葺き=カバー工法は、既存の屋根に新しい屋根材をのせる工事
  2. 30坪の費用相場は80万円〜120万円
  3. メリットは費用が安く、工期が短く、遮音性や断熱性が上がること
  4. デメリットは使える屋根材が限られ、内部の劣化は直せず、古い屋根では難しいこと
  5. 予算の都合がつく場合は葺き替えの方がおすすめ
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目次

屋根のカバー工法(重ね葺き)はどんな工事?

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工事の内容現在の屋根の上に新しい屋根材などをのせる
工事の特徴葺き替えと比較して安い
費用相場(30坪)80万円〜120万円
工期(かかる日数)5日〜10日
必要な時期の目安築30年〜40年
工事ができる屋根材スレート、アスファルトシングル、金属
屋根のカバー工法の特徴まとめ

カバー工法は、現在ある屋根の上から防水シート(ルーフィング)、新しい屋根材を重ねる工法のことです。場合によっては、防水シートの下にある下地も重ね葺きするケースもあります。

現在ある屋根や防水シート、場合によっては下地を全て交換する葺き替えと比較して、カバー工法は施工費用が安く、手間がかからないため期間が短いという特徴があります。

また、既存の屋根材にアスベストが含まれている場合、撤去費用が高額になるため、カバー工法を利用することで、撤去費用の負担を避けることができます。

アスベストが含まれている可能性がある屋根は、屋根材がスレート、かつ、2004年以前に製造されたものです。

一方で、屋根のカバー工法は、施工できる屋根材が限られていたり、屋根の劣化がひどいと施工が難しいケースもあります。

屋根のカバー工法の費用相場

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費用項目単価数量金額
足場代800円200㎡160,000円
養生代200円200㎡40,000円
防水シート600円70㎡42,000円
屋根材6,500円70㎡455,000円
棟板金3,000円12m42,000円
軒先・ケラバ1,500円30m45,000円
管理費7%54,880円
合計838,880円
税込合計10%922,768円
屋根のカバー工法の費用内訳のイメージ

こちらが、屋根のカバー工法を行った場合の費用内訳のイメージを表にしたものです。

屋根のカバー工法の費用相場は、30坪(2階建て)の場合で80万円〜120万円が目安です。ただ、工事の内容や屋根の形、坪数が大きい場合は、金額が増える場合もあります。

それぞれの項目についてどのようなことを行うのか、単価の相場はどのくらいかをお伝えします。

足場

足場は、高所で安全に作業するために必要なもので、作業性を高くする(作業しやすくする)役割があります。

足場の単価の相場は、700円〜800円/㎡ほどです。

養生

養生は、周囲に部材などが飛散した場合の安全性などを考えつけられます。足場にかけるような形で、シート状の簡易な壁を作ってくれるものです。

養生の単価の相場は、200円/㎡ほどです。

防水シート

防水シートは、既存の屋根の上に設置され、屋根や内部の下地などを雨水から守る役割を持ちます。

防水シートの単価の相場は、600円/㎡前後です。

屋根材

屋根材は、防水シートの上にのせる屋根のことで、金属製の屋根材が使われることが多いです。

中でもよく使われるのはガルバリウム鋼板で、単価は5,000円〜7,000円/㎡が目安です。

ガルバリウム鋼板がカバー工法でよく使われるのは、

  1. 耐用年数が長い
  2. 加工がしやすい
  3. 軽いので作業負担が低い
  4. 軽いので家への負担が少ない
  5. 屋根の形状を選ばない

という理由からです。

棟板金・軒先・ケラバ

棟板金は屋根の天辺の部分、軒先は屋根の先端、ケラバは屋根の側面部分です。

棟板金の単価の相場は、2,000円〜3,000円/m、軒先・ケラバの単価の相場は、1,500円〜2,000円/mです。

管理費

管理費には、事務処理、広告、営業、運搬費、駐車場代などの費用が含まれ、全体の金額の10%前後が費用の相場です。

屋根のカバー工法のメリット

屋根のカバー工法は、同じ屋根の全体工事として比較される葺き替え工事と比較して、様々なメリットがあります。

屋根重ね葺き(カバー工法)のメリットは以下の通りです。

  1. 葺き替えと比較して費用が安い
  2. 工期が短い
  3. 周りにお住まいの方の負担が少ない
  4. 施工中もほぼ普段と変わらない生活できる
  5. 遮音性や断熱性が上がる

それぞれのメリットについて詳しくお伝えします。

葺き替えと比較して費用が安い

屋根のカバー工法は、葺き替え工事と比較して、既存の屋根材、防水シート、下地を廃棄する手間がかからないため、費用が安く済むメリットがあります。

これは、廃材を処分するのにはお金がかかるためです。

また、既存の屋根のアスベストを処分するのには、20万円超の費用がかかりますが、カバー工法なら、アスベストを処分する必要がないため、費用がかかりません。

ただ、次に屋根の修理、または、ご自宅を解体される場合は、処分費用がかかるため、根本的な解決ではなく、費用の支払いを先延ばしにしている状態ではあります。

工期が短い

屋根のカバー工法は、既存の屋根材をほぼ解体しない(屋根の天辺の棟板金などは解体が必要)ため、葺き替え工事と比較して、工期が短くなります。

葺き替え工事にかかる日数は、おおよそ10日〜15日ですが、カバー工法の場合は、5日〜10日です。

周りにお住まいの方の負担が少ない

屋根のカバー工法は、既存の屋根材を解体する際に発生する、騒音やホコリが葺き替え工事と比較して発生しにくいのがメリットです。

また、工期が短いため、工事の作業音が発生する時間が短くなります。

そのため、葺き替え工事と比較すると、住宅地にお住まいで、近隣の方の負担をできるだけ避けたい、とお考えのケースにカバー工法は向いています。

施工中もほぼ普段と変わらない生活できる

屋根のカバー工法なら、ご自宅の内部に手を加えることはないため、普段の生活に影響することはほぼありません。

屋根塗装のように塗料のニオイが発生することもなく、野地板(下地)まで修理する葺き替えの場合のように仮住まいが必要になることもない点がメリットです。

遮音性や断熱性が上がる

屋根のカバー工法を施工すると既存の屋根に加えて新しい屋根がのっている状態になるため、屋根が厚くなります。

そのため、遮音性や断熱性が上がるのがメリットです。

遮音性については、線路の近くにお住まいなど大きな音が日常で発生する場合、メリットが大きく、断熱性についても、寒い地域にお住まいの方にはメリットが大きくなります。

屋根のカバー工法のデメリット

屋根のカバー工法は、様々なメリットがある一方で、施工できない屋根材があったり、選択できる屋根材の種類に制限があるなどのデメリットもあります。

屋根重ね葺き(カバー工法)のデメリットは以下の通りです。

  1. 新しい屋根材の素材が限られる
  2. 内部の劣化は直せない
  3. 古い屋根には施工が難しい
  4. 瓦屋根には施工できない
  5. 火災保険ではカバーできない可能性がある

それぞれ具体的にどのようなデメリットがあるのかお伝えします。

新しい屋根材の素材が限られる

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屋根材重量(㎡)
60kg
スレート20kg
アスファルトシングル10kg
金属屋根5kg
屋根材の種類と1㎡あたりの重量

屋根は重くなると耐震性が下がます。これは、地震の揺れのエネルギーは重い方が影響を大きく受けるためです。

例えば、軽自動車とトラックが同じ速度で走って壁にぶつかった場合、どちらの方が被害が大きいかをイメージしていただくとご理解やすいのではないでしょうか。

ご自宅は、既存の屋根材の重さを加味した上で、耐震面を考えられているため、重すぎる屋根材の使用は難しくなります。

そのため、屋根のカバー工法で使われる屋根材は、ガルバリウム鋼板などの軽い金属屋根、ついでアスファルトシングルが使われることが多いです。

もちろん、ご自宅の耐震性性能によっては、スレートを使用するケースもないわけではありません。

内部の劣化は直せない

屋根のカバー工法は、新しく防水シート(場合によっては下地)と屋根材を新しく重ねる工事なので、既存の屋根の内部の劣化に触れることはありません。

そのため、屋根内部の一部をカバー工法可否のために調査してもらい、問題なしと判断されたものの、他の部位に重度の劣化があり、そのまま工事してしまうということも考えられます。

また、次に屋根の修理をする際は、内部の修理が必要になるため、費用が高くなるのもデメリットです。

古い屋根には施工が難しい

ご自宅の屋根が古く、野地板と呼ばれる防水シートの下にある下地が傷んでいる場合は、カバー工法自体が難しいことがあります。

野地板の耐用年数は30年ほどであり、1つの目安として築40年以上過ぎた屋根では難しいケースが多くなります。

表面が錆びて劣化しているトタン屋根や、傷んでいるスレート屋根などは、下地を入れ替えるために、葺き替えをした方が根本的な解決になります。

瓦屋根には施工できない

屋根のカバー工法は、表面が平らな形状でないと行うことができません。

瓦のように波を打っているような形状の屋根材は施工が難しい工事です。

また、瓦屋根自体、既にお伝えの通り、屋根材の中でも重量がある素材のため、カバー工法は適していません。

瓦屋根の場合は、屋根全体の葺き替えより費用を抑えられる葺き直しをする方法もあります。

火災保険ではカバーできない可能性がある

火災保険は、風災、雪災などによって破損した屋根を元に戻す際に保険金がおりるものが多いです。

カバー工法では、元に戻す工事ではないと判断されるケースが多く、火災保険の利用が難しい可能性が高いと言えます。

カバー工法より葺き替えが良いケースは?

カバー工法と比較される屋根の全体修理工事に葺き替えがありますが、葺き替えの方がメリットがあるケースについてお伝えします。

葺き替え工事の方が良いケースは、以下の通りです。

  1. 予算や日数に制約がない
  2. 下地まで劣化が進んでいる
  3. 瓦など屋根材が平らでない
  4. 屋根にアスベストが含まれていない
  5. デザインにこだわりたい
  6. 住宅密集地でない
  7. 耐震性が気になる

カバー工法は、内部に劣化があった場合、さらに費用が発生する可能性が否定できないため、予算に余裕がある場合、下地も新しくする葺き替えの方がおすすめです。

屋根のカバー工法で失敗しやすいケースとは?

屋根のカバー工法には失敗しやすいケースがあります。もしご自宅が該当する場合は、葺き替えを検討された方が良いです。

屋根重ね葺き(カバー工法)で失敗しやすいケースは以下の通りです。

  1. 耐用年数が短い防水シートを使ったケース
  2. 低勾配の屋根に横葺きで施工したケース
  3. 下地が傷んでいる状態で施工したケース

それぞれのケースが失敗しやすい理由を具体的にお伝えします。

耐用年数が短い防水シートを使ったケース

一言に防水シートといっても種類は様々です。

耐用年数は短いもので10年ほどのものから、長いものでは60年ほども持つものがあります。

既にお伝えの通り、カバー工法で使用されるメジャーな屋根材であるガルバリウム鋼板の耐用年数は25年〜30年です。

そのため、10年しか耐用年数がない防水シートを使うと次の修理までの周期が短くなってしまい、費用対効果が低い修理になってしまいます。

低勾配の屋根に横葺きで施工したケース

ガルバリウム鋼板などの金属屋根は、緩勾配(かんこうばい)と呼ばれる、角度が少ない屋根に対して、横葺き(凹凸が棟板金や軒先と平行になる形)で施工は推奨されていません。

横葺きで施工可能な勾配は2寸(約11.3°)以上が目安です。

知識が豊富ではない業者が、緩勾配の屋根に横葺きで金属屋根をカバー工法で施工した場合、水捌けが悪く、雨漏りが起こるなどの失敗につながるため、注意が必要です。

下地が傷んでいる状態で施工したケース

防水シートの下にある野地板(下地)の劣化が非常に進んでいる状態の屋根にカバー工法を行うと失敗します。

野地板は、屋根の最後の防波堤とも言える役割を持っており、耐用年数は30年前後です。

野地板が傷んでいるということは、既に防水シートや屋根の耐用年数が過ぎており、雨水の影響を受けているということです。

そのため、下地が傷んだ状態でカバー工法を行っても、屋根を固定する力が弱く、強風によって新しい屋根材が剥がれるといった事態になる可能性が高くなります。

屋根のカバー工法に関するよくある質問・疑問

屋根のカバー工法はなぜ必要なの?

屋根材や防水シートには耐用年数があり、寿命をむかえると機能を失い、家の内部の劣化を進めてしまう可能性があるからです。

屋根のカバー工法の耐用年数はどれくらい?

耐用年数は30年前後です。防水シート自体の耐用年数が概ね30年前後、屋根のカバー工法で使用されることの多い、ガルバリウム鋼板の耐用年数は、25年〜30年ほどです。

屋根のカバー工法は台風で強風が発生しても大丈夫?

屋根材を釘ではなくビスで固定することで強風に強くすることができます。

また、強風に比較的強くないアスファルトシングルは避ける、かん合式(屋根材同士をひっかけて繋げられるタイプ)の屋根材を選ぶ方法があります。

屋根のカバー工法の工程は?

屋根のカバー工法の工程は以下の通りです。

足場を組む→屋根の洗浄→棟板金などの撤去→防水シートの設置→棟板金を含む、新しい屋根材の設置→足場の解体

屋根のカバー工法で使用する屋根材でおすすめのメーカーは?

カバー工法でおすすめの屋根材メーカーは、ニチハとアイジー工業です。理由は、両者とも断熱材と屋根材が一体になっており、強風に強いかん合式の屋根材を持っているからです。

カバー工法は雨の音が気になると伺いましたが本当ですか?

空気層がある屋根材や断熱材入りの屋根材など遮音効果があるものを使うことで回避できます。

まとめ

屋根のカバー工法は、既存の屋根に新しい防水シートや屋根材を重ねる工事です。

費用が安く、工期が短いなどのメリットがありますが、一方で、施工できる屋根材がほぼ金属に限られていたり、劣化が酷い屋根にはそもそも行えないなどのデメリットがあります。

失敗を避けるためには、耐用年数が長い防水シートを使い、緩勾配の場合は横葺きを避け、下地が傷んでいる場合は費用が高くなるものの葺き替えを選択することです。

本記事がカバー工法を検討する上でお役に立ちましたら幸いです。

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