遮熱塗料は効果ある?特徴や種類とメーカー各社の塗料を比較

遮熱塗料

遮熱塗料は主に屋根に使われる塗料で名前の通り熱を遮(さえぎ)ってくれる塗料です。

しかしながら、主要な樹脂グレードと比較するとメジャーではないため、「本当に効果があるのかな?」と疑問に感じるかもしれません。

本記事では遮熱塗料の特徴、効果、メリットデメリット、単価と耐用年数、主要メーカー各社の比較などをまとめてお伝えしておりますので、塗料選びの参考になりましたら幸いです。

この記事のポイント
  1. 遮熱塗料は金属素材の屋根を塗るのにおすすめ
  2. 室温が2℃前後下がり節電になる
  3. 費用は通常塗料と比較して高め
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目次

遮熱塗料はどんな塗料?

遮熱塗料は、

  1. 高日射反射…太陽光を反射
  2. 高放射…熱を放出

の2つの要素で熱を遮る塗料。建物を暑さから守ってくるため、外壁や屋根の表面だけでなく建材にも優しい塗料です。

樹脂ベースでの分類ではなく、機能での分類であるためシリコン樹脂ベースの遮熱塗料、フッ素樹脂ベースの遮熱塗料など樹脂が違う塗料が存在します。

具体的にどのような効果があるのか、メリットデメリットとともにお伝えします。

遮熱塗料の効果は?メリットデメリットとともに解説

遮熱塗料のメリットデメリット

遮熱塗料の効果とメリット

遮熱塗料のメリットは以下の通りです。

  1. 遮熱効果で夏の暑さを減らせる
  2. 冷房代の節約になる
  3. 屋根材や外壁材の耐久力上昇が期待できる
  4. 補助金が出るケースがある

それぞれのメリットについて詳しくお伝えします。

遮熱効果で夏の暑さを減らせる

遮熱塗料は名前の通り熱を反射することができるため、夏の暑さを軽減できます。

遮熱塗料を塗ってどのくらい効果があるのかというと屋根に塗った場合表面温度は10℃前後下がり、室温は2℃前後下がることが各メーカーや環境省の調査から明らかになっています。

ちなみに、屋根の温度は素材にもよりますが、遮熱性がないと60℃以上になることもあります。

ただ、屋根に遮熱塗料を塗ったからといって全ての方が明らかな体感温度の違いを感じるわけではありません。

冷房代の節約になる

遮熱塗料を塗ったことで室温が2℃前後下がるとクーラーの温度を下げることができ節電・節約ができます。

クーラーは1℃でおおよそ10%ほど電気代が下がることが各メーカーの検証からわかっています。

仮に電気代が月1万円、1年のうちクーラーをしっかり使うのが3ヶ月だったとすると3ヶ月×1万円×80%=6,000円。耐用年数が15年の塗料だった場合、6,000円×15年=9万円もお得になる計算です。

10,000円は4人世帯の平均的な電気代ですが、さらに世帯人数が多い場合は2万〜3万円かかるケースもあるかと思います。電気代がたくさんかかっているのであればその分メリットが大きくなります。

屋根材や外壁材の耐久力上昇が期待できる

屋根材や外壁材は太陽光の熱によって熱せられることで徐々にですが、劣化しています。劣化するのは外壁の塗膜に限ったことではないのです。

遮熱塗料は熱を反射して逃してくれる性質があるので、建材が熱によって劣化するのを抑えることができ、耐久力が上がるメリットがあります。

補助金が出るケースがある

遮熱塗料はエアコンの使用量を抑えることで二酸化炭素排出を軽減でき、温暖化防止が期待されているため地域によっては自治体から補助金が出るケースがあります。

通常リフォームと合わせて屋根や外壁に遮熱塗料を使うケースが補助金や助成金が出る対象となるのですが、リフォームを合わせて検討しているのであれば一度調べてみる価値はあります。

補助金の検索については地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイトをご覧下さい。

遮熱塗料のデメリット

遮熱塗料のデメリットは以下の通りです。

  • 価格が高い
  • 劣化によって遮熱機能が落ちる
  • 色や素材で反射率などが違う
  • 寒い地域に適さない

それぞれのデメリットについて詳しくお伝えします。

価格が高い

遮熱塗料は比較的価格が高めです。そのため、予算が限られている場合選択しにくいのがデメリットです。

劣化によって遮熱機能が落ちる

遮熱機能は外壁の劣化によって徐々に機能が落ちていきます。そのため、耐用年数が終わる期間まで100%の遮熱機能を発揮し続けることは難しいのが現状です。

塗膜の表面が汚れると太陽光が反射しにくくなってしまうため、長い期間効果を発揮させるために低汚染性の塗料を選ぶのが重要です。

親水性の高い塗料は汚れに強いのでおすすめです。

色や素材で反射率などが違う

遮熱塗料は色の濃淡によってや建材で反射率や熱伝導性が違います。

色での反射率の違いについては、JIS K 5675 屋根用高日射反射率塗料に記載されている試験(※1)が参考になります。

白色では80%以上の反射率でしたが、灰色では50%前後、黒では30%前後と黒に近いほど反射率が落ちることがわかっています。

また、屋根材によって熱伝導率が違うため熱伝導率が高い屋根材であればメリットは大きい一方で、そうでない屋根材に遮熱塗料を使っても効果は薄いです。

太陽光の熱エネルギーの影響は、鋼板(トタン/ガルバリウム/アルミ)>スレート>コンクリート>ALCの順番で受けやすいです。

つまり、ガルバリウム鋼板が屋根材の場合は高い熱伝導性を軽減できるため、相性がいいです。

寒い地域に適さない

遮熱塗料はその年の気候にもよりますが、夏でもあまり気温が上がらない東北地方、北海道はそもそも遮熱効果を必要としないことが多くメリットが少なくなります。

また、日照時間が短い日本海に面する地域にお住いの場合、太陽光の影響が少なくなるため遮熱塗料のメリットが少なくなります。

遮熱塗料の単価と耐用年数

遮熱塗料は耐用年数は10年〜20年、1㎡の単価はおおよそ2,200円〜5,500円です。

遮熱塗料は機能で定義された塗料であるため、ベースに使われている樹脂やその他の機能が付与された塗料など幅広いグレードが存在します。

そのため、耐用年数や単価に開きがあります。続いて具体的なメーカーの商品と単価や特徴をお伝えしますので、塗料選びにご活用下さい。

遮熱塗料の種類・主要メーカー各社の塗料を比較

スクロールできます
メーカー塗料名耐用年数設計価格/㎡
日本ペイントサーモアイ5年〜15年3,490円〜4,610円
エスケー化研クールタイト5年〜10年3,400円〜5,350円
関西ペイントアレスクール非公開2,800円〜4,950円
日進産業ガイナ15年〜20年3,760円〜5,460円
ミラクールミラクール10年〜15年5,090円〜7,220円
日本中央研究所アドグリーンコート10年〜15年3,500円〜4,600円

主要メーカー各社の塗料の耐用年数と材工価格を表にしました。耐用年数と材工価格に開きがあるのはシリーズ商品であり、遮熱塗料の中でも樹脂によるグレード差があるためです。

また、先ほどお伝えした単価より高い価格が表記されているのが気になるかもしれませんが、設計価格はメーカーが提示している価格で、実際に施工する際の塗料の価格は3〜4割安くなることが多いです(商品の市況によって前後することがあります)。

日本ペイント・サーモアイ

日本ペイントのサーモアイシリーズは屋根用遮熱塗料です。

アクリル樹脂〜フッ素樹脂まで幅広いラインナップがあり、最高クラスの日射反射率90%以上を誇り、カラーバリエーションも豊富であるため、デザインと機能性双方を重視したい方におすすめです。

エスケー化研・クールタイト

エスケー化研のクールタイトシリーズは屋根用遮熱塗料です。

樹脂や水性油性など幅広いラインナップで耐用年数は屋根ということもあり控えめに出している印象です。

特徴的なのは下塗り材との組み合わせで金属系の屋根の遮音性や耐久性、耐カビ性などを上げるクールタイトEL工法。雨音なども軽減してくれるため、さらに住まいが快適になる期待ができます。

塗料のカラーは41種類と最多でデザイン重視ならおすすめです。

関西ペイント・アレスクール

関西ペイントのアレスクールシリーズは屋根用遮熱塗料です。

ウレタン〜フッ素までランナップされており、下塗りと上塗りで陽の光をWブロックしてくれます。

最大40%のCO2を削減できる地球に優しい塗料です。

カラーも40種類と豊富なため、デザインを重視しつつも環境にも配慮したい方におすすめです。

日進産業・ガイナ

日進産業のガイナは屋根と外壁用の遮熱塗料です。水性シリコン塗料で樹脂が違うシリーズはありません。

塗料の中でもずば抜けて知名度が高いガイナですが、NASAのロケットの塗装に使われた技術を塗料に転用したものであるため、注目度が高く業者さんも宣伝しやすいという側面があります。

また、遮熱塗料であるだけでなく、断熱機能や遮音、ニオイ改善、不燃、結露防止など様々な機能・効果が付与されています。

機能性と耐久性を重視し、価格は気にせず高機能な塗料にしたいと考えているのであればおすすめです。

ミラクール・ミラクール

ミラクールは遮熱だけでなく断熱機能もついた屋根・外壁用塗料です。

アクリル〜フッ素まで広いラインナップがあります。

業界での評判も良く、遮熱効果を道路などの塗装に応用している実績があります。国会議事堂前、皇居外苑楠公地区の塗装など由緒ある土地の塗装に使われていることを考えると技術に対する信頼感は高いです。

また、屋根ではお台場の商業施設に採用されている実績もあります。

価格は他の塗料より高いですが、実績と断熱性、塗料の品質を重視したいのであればおすすめです。

日本中央研究所・アドグリーンコート

日本中央研究所(NCK販売会社)のアドグリーンコートはマットなEXと光沢があるGLの2種類があります。

両方シリコンベースで他社のように他の樹脂グレードはありません。

アドグリーンコートは環境への配慮がされており有害物質の含有量が少ないところが長所なので、安全性や環境への配慮を重視したいならおすすめです。

遮熱塗料のよくある質問

遮熱塗料は冬は熱を跳ね返して寒くなってしまうの?

冬の太陽は夏と比較して日射角度が低く陽の光が窓などから入ってきやすいです。また、冬は空気が乾燥しており、光が拡散しにくいため、部屋の中が暖かくなりやすい条件が整っています。そのため、遮熱塗料を塗ったからといって冬に陽の光の暖かさを全く享受できないというわけではありません。

トタン屋根に遮熱塗料は適している?

適しています。トタン屋根は鉄板を亜鉛メッキで覆ったものであり断熱性が低いため、遮熱塗料で低い断熱性をカバーすることができます。

遮熱塗料と断熱塗料の違いは?

熱を反射するの遮熱塗料で熱の伝導率を下げるのが断熱塗料です。ミラクールなど双方の機能を持つ遮熱・断熱塗料もあります。

断熱塗料の効果や遮熱塗料との違い』の記事も合わせてご覧下さい。

まとめ

遮熱塗料は太陽光を反射することで屋根や外壁から室内に入ってくる温度を下げることができ、節電にもなる塗料です。

一方で、色で反射率が変わったり、価格が高めなので、注意すべきポイントもあります。

ご自身の家の電気代の減少で長期的に見て他の塗料と比較したときの差額を回収できるのか慎重に見定めていく必要があります。

参考文献

※1 一般財団法人建材試験センター / JIS K 5675 屋根用高日射反射率塗料

https://www.jtccm.or.jp/Portals/0/images/pdf/hinsei/1202_kikakukijyun.pdf

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