外壁塗装で使用できる色は様々ありますが、人気色の1つにグレーが挙げられます。
おしゃれな雰囲気や落ち着きのある印象を与えてくれるほか、別の色とも相性がよく、外壁塗装の際にはグレーを選ばれることが多くあります。
一方で、外壁をグレーにして後悔する方もいるため、色選びには注意が必要です。
この記事では、外壁塗装をグレーにする際の注意すべきポイントや、外壁の材質による印象、おしゃれな配色事例を紹介します。
外壁塗装の色選びに悩んでいる方や、グレーを選ぼうとしていた方は、色選びで後悔しないためにこの記事を参考にしてみてください。
- 薄め・濃いめのグレーを使用すると汚れが目立つため後悔することがある
- 外壁塗装でグレーにする際に注意すべきポイントは色の明るさを決めておくこと
- サイディングはグレーと合わせることでおしゃれで落ち着いた雰囲気になる
- 薄めのグレーであるほど清潔感が、濃いめのグレーであるほど落ち着いた雰囲気がより強まる

グレーの外壁塗装で後悔してしまう理由
外壁塗装でグレーにしたのを後悔してしまう大きな理由は『想定外の状態になること』です。
主な原因として下記の3つが挙げられます。
それぞれについて説明します。
汚れが目立つ
「グレーは汚れが目立ちにくい」と聞いていたものの、いざ塗装して月日が経ったら汚れが目立つようになった、というケースは少なくありません。
グレー自体は汚れが目立ちにくいですが、薄めのグレーは白に近く、濃いめのグレーは黒に近い色になるため、薄め・濃いめのグレーを使用した場合であれば、汚れをはじめカビや苔などが目立ちやすくなります。
周囲の家と色が被る
住宅街であれば統一感が出るのは景観的によいと言えますが、近隣の外壁の色を確認せずに似た色を使っていた場合であれば話は別です。
個性が感じられず、新しく塗りなおしたくなる気持ちが湧いてくる可能性があります。
仕上がりが予想と違った
仕上がりが予想と違う主な原因は『色の見え方』です。
『日向と日陰』『実物と色見本』『外壁の材質』など、同じ色でも見え方が変わることは十分に考えられます。
イメージと実物で色味の差が多少出ることを念頭に置いておき、なるべく色味の差が生まれないように業者と相談し、色を決めるとよいでしょう。
外壁塗装でグレーにする際に注意すべきポイント
外壁塗装をグレーにする際に、上記の後悔する理由を考慮するのも大切ですが、以下の3つの注意すべきポイントもあわせてチェックしてみてください。
それぞれについて説明します。
色の明るさを決めておく
グレーの外壁にする場合、ライトグレーからダークグレーまで同じグレーでも色の明るさが異なります。
また、面積や見る場所によって色の見え方が異なるため、色見本を確認する場合はなるべく大きいものを用意してもらい、日向・日陰で比べて確認するように心がけておくとよいでしょう。
周囲の家の色と比べて違和感のない色を選ぶ
色を決定する前には一度、周囲の家の外壁の色を確認しておくのをおすすめします。
理由としては、近隣の雰囲気が崩れるような色にすると浮いてしまい、あまりにも似た色を使用すると個性がなくなるためです。
グレー主体で外壁の色を決める場合は、周囲と異なる明るさのグレーや奇抜すぎない色にするとよいでしょう。
濃いグレーの場合は室内温度が上がりやすい
濃いめのグレーは黒に近いため、直射日光の影響を受けて熱を吸収し、室内温度が上昇しやすくなります。
一方で薄めのグレーは白に近いため、直射日光の影響を受けにくく、室内温度も上がりにくくなります。
お住まいの地域の気候とあわせて考えると、より納得のいく外壁塗装ができる可能性が上がります。
同じグレーでも外壁の材質によって印象は変わる
外壁塗装でグレーを選ぶ場合、どの外壁とも相性はよい一方、色の明るさや外壁の材質によって印象は異なります。
ここからは外壁の種類による印象を紹介します。
モルタル

モルタルは、水に砂やセメントを混ぜて造られた塗り壁で、仕上げの関係上、表面がざらざらとしてるのが特徴です。
マットでざらついた質感は落ち着いた印象があり、職人によって模様も様々で個性が出やすい外壁といえます。
一方で、表面のざらつきにより雨や汚れが溜まりやすくカビや苔が発生しやすい傾向にあるため、日々のメンテナンスが重要です。
最近では使用されることが少なくなりましたが、グレーとあわせることでより落ち着いたイメージを印象づけることができるでしょう。
サイディング

サイディングはボード上の外壁材で、セメントが主材料の『窯業系サイディング材』と金属が主材料の『金属系サイディング材』があります。
型にはめて成型できるため、タイルのような見た目のものや、ごつごつとしたデザイン性の高いものなど種類は様々です。
モルタル同様、凹凸が多くなるとその分汚れや水が溜まり汚れやすく、日当たりの悪い場所でメンテナンスを怠るとカビや苔が目立つようになります。
デザイン性が高いため、グレーとあわせることでよりおしゃれな印象を出しつつ、落ち着いた雰囲気も演出できます。
木目調

木目調とは、「木材の木目模様を印刷や塗装で表現したデザイン」を表します。
上記で紹介したサイディング材に木目のデザインを施したものや、天然の木材から造られた『木質系サイディング』を用いたものなどがあります。
木質系サイディングは経年劣化による風合いの違いを楽しめる反面、水に弱くカビや苔が発生しやすい材質です。
グレーとあわせることで木目によるナチュラル感と落ち着いた印象が調和し、和風な家の場合であればモダンな雰囲気も演出できます。
グレーの外壁塗装のおしゃれな配色事例
グレーは中間色と呼ばれる色で、どの色とも合わせやすいため外壁塗装のなかでも人気の色です。
ここではグレーの外壁塗装の配色事例を紹介します。
グレー単色

まずはグレー単色の外壁です。
他の色を入れずにグレー1色に絞ることで統一感が出つつ、材質によって模様が際立つため、もっともデザインを楽しめます。
その一方で中間色のためか、ぼやけた印象を与えてしまう可能性もあります。
薄めのグレーであるほど清潔感が、濃いめのグレーであるほど落ち着いた雰囲気がより強まります。
また、グレー単色のため近隣とも馴染みやすく、人気の高い配色です。
濃いグレー×薄いグレー(ツートン)

グレーのツートンカラーは、グレー単色と異なり濃淡の異なるグレーをあわせることで、よりスタイリッシュな雰囲気が出ます。
外壁で2色にするのはもちろん、外壁と屋根で濃淡のあるグレーをあわせても見た目がよくおすすめです。
ただ、薄いグレーや濃いグレーは経年劣化による汚れが目立ちやすいため、定期的にメンテナンスを行うように心がけておくとよいでしょう。
グレー×ブラウン

グレーとブラウンはどちらも落ち着いた雰囲気がありますが、あわせることでより上品なイメージになります。
画像のような淡めの色で合わせれば落ち着いた印象が出やすく、濃い色をあわせればよりスタイリッシュでおしゃれな印象が出やすくなります。
極端に濃淡のある色でなければ汚れが目立ちにくいため、日々のメンテナンスが面倒に感じる方には特におすすめの配色です。
グレー×ネイビー

ネイビーは冷静で品のあるイメージの色で、スーツにもしばしば使用されます。
グレーとネイビーがあわさることで、よりスタイリッシュで上品なイメージが強くなる一方、男性的な雰囲気も感じられる配色です。
濃淡のグレー2色使いと似た印象ではありますが、濃いグレーよりも青みがかった色のため、より清潔感のある印象を与えられます。
グレー×ベージュ

ベージュはナチュラルで落ち着いた印象がありますが、グレーとあわさるとよりナチュラル感が強まり、近隣と馴染みやすくなります。
ベージュの色味は汚れが目立ちにくいため、濃淡の激しくないグレーとあわせれば、メンテナンスに困らない配色といえます。
ただ、どちらも薄い色味を選ぶと印象自体がなくなってしまうため、配色が薄すぎないように注意しておきましょう。
グレー×ホワイト(白)

ホワイトは清潔感がもっとも感じられ、濃淡に関わらずグレーとの相性がよい色です。
薄めのグレーとあわせれば清潔感と落ち着きを、濃いめのグレーとあわせればスタイリッシュで個性的なイメージを与えられます。
人気の高い配色ですが、白系の色は汚れが目立ちやすいため、定期的にメンテナンスを行うことを念頭に置いておくようにしましょう。
グレー×ブラック(黒)

ブラックは高級感や重厚感をもっとも感じられる色で、グレーとあわせることにより個性的なイメージを持たせることができます。
黒系は色のイメージがもっとも強いため、ブラックの面積が多いほど重厚感などは出るものの、近寄りがたく感じてしまうため、黒すぎない配色がおすすめです。
また、黒系は汚れが目立ちやすいため、メンテナンスは定期的に行うようにしておきましょう。

グレー×濃いめのカラー

グレーは画像のような鮮やかな色とも相性がよく、上手にあわせればおしゃれな家としての印象を与えることができます。
ブルー・レッド・グリーン・イエローなど色味の相性を選ばない反面、鮮やかな色の面積が大きいと派手に感じられ、近隣から浮いて見えてしまいます。
組み合わせる際はグレーを中心に濃いめのカラーを差し色として使用し、2色以上にならないように心がけておくとよいでしょう。
外観の印象は外壁だけではない
家の外観は外壁の色味がもっとも強い印象ですが、外壁部分だけではありません。
屋根はもちろん、雨樋・雨戸・玄関ドアなどの『付帯部』と呼ばれる部分にも色があります。
そのため、『外壁』『屋根』『付帯部』の色味のバランスを考慮することで、よりまとまった色味に、あるいは個性を活かした配色に仕上げられます。
依頼する際には、業者と話し合って外壁以外の部分との組み合わせを検討してみてください。
グレーの外壁塗装に関するよくある質問
- 外壁塗装をグレーにするメリットは?
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外壁塗装をグレーにすることで「落ち着いた外観の家」「洗練された印象」「メンテナンスが楽」の点がメリットです。
また、グレーは他の色とも相性がよくバリエーションが豊富で、ツートンカラーを希望する方にもおすすめです。
- 外壁塗装をグレーにするデメリットは?
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外壁塗装でグレーにするデメリットは「中間色のためぼやけた印象を持つ場合がある」「暗いイメージ」「薄い・濃いグレーの場合は汚れが目立ちやすい」の3つがあります。
失敗したくない方は『外壁塗装をグレーにして後悔する理由』もご覧ください。
- グレーの外壁に合わない色は?
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グレーは中間色のため、基本的にどの色ともあわせやすいものの、薄い色は合いにくくなる可能性が上がります。
薄いグレーと他の色をあわせる場合は薄い色味だと印象が薄く感じられてしまうため、薄い色味はなるべく避けることをおすすめします。
- 木目や塗り壁にグレーは合う?
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木目や塗り壁の外壁はグレーとの相性がよく、マットな質感で落ち着いた印象を持ちます。
また、和の雰囲気であれば色が馴染みやすいだけでなくモダンな印象も出るため、和風の家に住む方にはおすすめの組み合わせの1つです。
グレーの特徴を押さえて落ち着きのあるおしゃれな外壁に(まとめ)
グレーは馴染みやすく落ち着きのあるイメージで、どの色ともあわせやすく、注意すべきポイントを押さえればおしゃれに仕上げつつ後悔のない外壁塗装ができます。
紹介した内容をまとめると以下の通りです。
- 色味の差が生まれないように業者と相談し、色を決めるようにする
- 濃いグレーを選ぶと室内温度が上がりやすい
- 木目調にあわすと和風な家の場合であればモダンな雰囲気が演出できる
- グレーは中間色のためどの色とも相性がよい
- 中間色で相性がよい反面、単体では印象がぼやけてしまう可能性もある
- 屋根や付帯部も含めて配色を検討する
この記事が後悔のない外壁塗装に役立ちましたら幸いです。