「外壁塗装の点検はドローンでできると聞いたけど、どんなことをするのかな?」
近年、ドローンは急速に普及しており、外壁塗装の点検も行えるようになりました。
ドローンで行う外壁塗装の点検に、興味を持っている方も多いのではないでしょうか。
外壁塗装のドローン点検は、メリット・デメリットを知ることが重要です。
本記事では外壁塗装のドローン点検について、詳しく説明しています。今後、外壁塗装の予定がある方や、ドローン点検について詳しく知りたい方は、ぜひご覧ください。
- ドローンを使用すると外壁の高所の点検が容易になる
- ドローン点検のメリットは、足場の設置が不要であることや、人身事故の心配がほとんどないこと
- ドローン点検のデメリットは、天候に左右されることや、目視に比べて正確ではないこと
- 今後はドローンによる塗装も期待される
外壁塗装のドローン点検に関する基礎知識

ドローンで行う外壁塗装の点検は、職人が足場やハシゴを使用して行う点検と比べて、内容に大きな違いはありません。外壁の劣化症状の確認や、塗装時期の判断を行うことができます。
建物の2階・3階の外壁の点検は、ハシゴなどを利用して行わなければならないため、手間と時間がかかってしまいます。
しかし、ドローンを使用することにより、点検時間の短縮や職人の安全確保が期待できます。また屋根もドローン点検が可能です。
ドローンを操縦するために、免許や資格は必要ありません。
一方で、国家資格や民間資格は存在します。資格を表にまとめると以下の通りです。
団体名 | 資格名 |
---|---|
国土交通省 | 無人航空機操縦者技能証明等 |
IAU(国際無人航空機協議会) | IAU認定資格 |
DJI JAPAN | DJI CAMPスペシャリスト |
JUIDA(一般社団法人日本UAS産業振興協議会) | 無人航空機操縦技能証明証 無人航空機安全運航管理者 |
DPA(一般社団法人ドローン操縦士協会) | ドローン操縦士回転翼3級 ドローン操縦士回転翼3級 インストラクター |
資格の保持者はドローンの操縦を確実に行える証になるため、点検を依頼する際は確認してみてください。
外壁塗装をドローンで点検するメリット4選
- 外壁塗装をドローンで点検するメリットはありますか?
-
外壁塗装をドローンで点検するメリットは以下の4つです。
手間や事故のリスクを抑えながら、時間も節約できる点が外壁塗装をドローンで点検するメリットと言えます。
外壁塗装をドローンで点検するメリットについて、具体的にお伝えします。
足場の設置が不要
ドローンを使用することで高所でも点検が行えます。
そのため足場の設置が不要になり、設置にかかる費用を抑えられます。
またハシゴなどを使用する手間も省け、迅速な外壁塗装の点検が可能です。
建物全体の点検ができる
ドローンを建物の周囲に飛行させることで、容易に建物全体を点検することが可能です。
職人による通常の点検では、点検場所を移動する度にやハシゴの設置などで時間がかかるため、部分的な点検になるケースが多々あります。
ドローンを使用することで外壁の隅々まで点検することが可能です。
人身事故の心配がほとんどない
足場やハシゴを使用する点検では、職人が高所で点検するケースが多いため転落の危険がありますが、ドローン点検ではその心配がありません。
また足場の設置も必要ないため、人身事故の発生も未然に防げます。
業者と一緒に短時間で確認できる
ドローン点検では、撮影した画像を業者と一緒に確認できます。
また、足場やハシゴを使用する点検よりも短時間で点検することが可能です。
外壁塗装をドローンで点検するデメリット6選
- 外壁塗装をドローンで点検するデメリットはありますか?
-
外壁塗装をドローンで点検するデメリットは以下の通りです。
カメラ性能や操縦技術などの要因から目視に比べて正確性・質にブレが出てしまうことや、騒音や天候、禁止区域の存在により点検が難しいケースがあるのが外壁塗装をドローンで点検するデメリットです。
外壁塗装をドローンで点検するデメリットについて、具体的にお伝えします。
天候によっては使用できない
ドローンは雨や強風時は危険が伴うため、飛行できないケースがあります。
ドローンの飛行は天候による規制はありませんが、悪天候による操縦ミスなどで外壁へ接触する危険があるからです。
また、画像が鮮明に撮影できないケースも多いため、悪天候時は不向きと言えるでしょう。
騒音が発生する
ドローンの飛行は大きな音が発生し、音量は約80dbと言われています。
80dbは地下鉄の車内やパチンコ店内、救急車のサイレンの音量レベルです。
ドローンの使用を近隣に告知せず飛行させると、思わぬトラブルに発展するケースもあるので注意が必要です。
目視に比べて正確ではない
ドローンは外壁に近づける距離に限度があります。
よって職人が外壁に接近して行う点検よりも精度が劣ります。
また劣化症状によっては外壁に触れることで発見できるものもあるので、ドローンで全ての劣化症状が把握できないことを覚えておいてください。
操縦する人の技術が未知数
ドローンの操縦に資格や免許は必要ないため、操縦士の技術は実際に飛行してみないとわかりません。
点検に訪れる人の操縦技術によっては外壁近辺にドローンを近づけられなかったり、外壁に衝突させてしまう危険があるため、正確な外壁塗装の点検が行えない可能性があります。
カメラに性能差がある
ドローンに搭載されているカメラの種類は様々です。
カメラによっては、鮮明な画像が撮影できない場合もあります。
カメラの画素数やズームの倍率が低いと、外壁の劣化症状を見落としてしまう可能性もあるので、点検を依頼する際はカメラの性能も確認してみてください。
飛行禁止区域内では使用できない
ドローンには飛行禁止区域があり、その中では使用できません。
飛行禁止区域には、人口集中地区や防衛関係施設の周辺などがあり、ドローン点検を予定している建物が該当するか確認が必要です。
参考サイト:国土交通省・無人航空機(ドローン・ラジコン機等)の飛行ルール
外壁塗装のドローン点検の料金相場
外壁塗装のドローン点検は、一般的に30,000円前後で行ってくれます。
料金の中にはドローンの費用のほかに、写真撮影の費用も含まれています。また、外壁と同時に屋根の点検を依頼できる業者もあります。
ドローン点検を無料で行ってくれる業者もあるので、申し込み時に確認してみてください。

外壁塗装におけるドローンの今後の発展
現在は主に点検で使用されているドローンですが、今後は塗装への使用も見込まれます。
ドローンの操縦は、2022年12月より国家資格が認定されました。
国を挙げてドローンの使用を推進しているため、今後益々の発展が期待されています。
現在、塗装現場で実用化はされていませんが、塗料のスプレー缶をドローンに取り付けての塗装は可能です。
ドローン使用による塗装の問題点として、塗料の積載量が少ないことやドローンの飛行可能時間の短さ(バッテリーの耐久時間)などが挙げられます。
これらの問題点が解消されると、塗装現場での実用化に向けて大きく前進するでしょう。
ドローン塗装が実用化されると、足場の設置が不要となります。また、職人の高所作業での危険が大幅に低下することが予想されます。
外壁塗装とドローンについてよくある質問
ここでは外壁塗装とドローンについて、よくある疑問点を紹介します。
- ドローンで高所の塗装はできるの?
-
ドローンにスプレー缶を搭載して、高所の塗装を行うことは可能です。
ですが、ドローンの操作技術や駆動時間の問題で、実用化されていないのが現状です。
今後はドローンの進化により、塗装現場での使用が期待されています。
- ドローンで外壁と屋根を一緒にで点検することは可能?
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ドローンで外壁と屋根の同時点検は可能です。
外壁と屋根を同時に点検すると、別々に点検するよりも費用が抑えられます。
外壁塗装でドローン点検を行う際は、同時に屋根の点検も検討してみてください。
外壁塗装のドローン点検はデメリットを知ることが大切(まとめ)
ドローンは近年進化を続け、様々な場面で使用されています。
この記事では以下のポイントを解説しました。
- ドローン点検のメリットは、足場やハシゴの設置が不要になる
- ドローン点検のデメリットは、天候に左右されることや騒音が発生する、目視に比べて正確ではないことがある
- 料金相場は30,000円前後
- 今後、塗装をドローンで行うことが期待されている
外壁塗装においても現在は、高所での点検で活用されていますが、今後は塗装での使用も期待できるでしょう。
現段階で外壁塗装のドローン点検は、デメリットが多く存在します。
しかし、足場やハシゴを使用する点検方法にはないメリットもあるので両者の正しい理解が必要です。
外壁塗装の点検は、今後のメンテナンス計画を左右する大事なことですので、適切な方法で行いましょう。