外壁コーキング(シーリング)補修の種類と費用、手抜きされないポイントは?

外壁のコーキング補修

外壁塗装を実施する上で、コーキング補修は切っても切れない関係です。

これは、どんなに質の高い塗料を塗っても、コーキングが劣化していれば、そこから水漏れを起こしてしまうからです。

外壁塗装の成功に欠かせないコーキング補修について、この記事では、

  • どんな作業なのか
  • どんな役割があるのか
  • 使用する道具は何なのか
  • 寿命や劣化症状
  • どんな補修方法があるのか
  • よくある質問
  • 業者さんを見極める方法

をまとめてお伝えしています。

外壁塗装のコーキング補修について詳しく知りたい方、外壁塗装の失敗は避けたい方の参考になれば幸いです。

この記事のポイント
  1. コーキング補修は水漏れ防止のために必要不可欠
  2. コーキング補修にかかる費用・単価は500円~1,200円/m
  3. 水漏れなどのトラブルを回避するためには業者選びが重要
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目次

外壁のコーキング補修とはどんな工程?

コーキング補修とは、コーキング材をひび割れや外壁材同士の継ぎ目、窓枠や水回りの隙間に注入する防水工事のことです。

ひび割れについては、外壁の素材が、

  • コンクリート
  • モルタル
  • 塗り壁

などの場合に発生しやすく、ひび割れ部分を埋めるようにコーキングを注入します。

一般住宅で多く使用されている外壁材である

  • サイディングボード
  • ALCパネル

は、外壁材の継ぎ目部分(目地)にコーキングが使用されているため、打ち替えや増し打ちを行います。

また、窓枠回りもコーキングされており、打ち替え、増し打ちを行います。

外壁のコーキングの役割は?

コーキングの主な役割は、隙間を埋め、住宅への水の侵入を防ぐことです。

コーキングの性質として、硬化するとゴムのような弾力性が生まれるため、弾力性と素材の防水性の高さを活かし、ひび割れや目地の隙間をなくすために使われます。

ひび割れにコーキングを使用する理由

ひび割れにコーキングを使用する理由は、ひび割れが広がっても弾力性により広がりに追従できるためです。そのため、隙間が生まれず、防水性を保てます。

また、素材自体に防水性があり、ひび割れからの水漏れを防ぐ役割があります。

目地にコーキングを使用する理由

目地にコーキングする理由は、外壁材と外壁材の隙間を埋めるためです。

目地の隙間を柔軟なコーキング素材で埋めることで、防水性を確保しつつ、地震による破損を抑えます。

外壁材には大きく分けて以下の2種類の仕上げ方があります。

  1. 工場生産した外壁材を現場に搬入し、張り付ける乾式工法
  2. 材料を現場で混ぜ合わせて塗りつける湿式工法(モルタルやタイル張りなど)

この2種類の中で約70%を『乾式工法』が占めており、『サイディングボード』や『ALCパネル』が一般住宅ではよく使われます。

サイディングボードやALCパネルは、外壁材を何枚も貼って外壁を作っており、パネル同士の間に『目地』と呼ばれる隙間を作るため、コーキングによって埋める必要があるのです。

目地が必要な理由

「サイディング外壁は一枚の板じゃダメなの?」

と感じる方もいると思います。

なぜ、外壁材を何枚も貼り、目地を作る必要があるかと言うと、地震や外的要因(強風や経年劣化など)により歪みが発生してしまうからです。

サイディングボードやALCパネルのパネル同士を隙間なく張り付けてしまうと、歪みに弱くなり、パネルの剥がれや割れが発生します。そうならないために、目地を作る必要があるのです。

目地にコーキングを打つことにより、

  • 弾力性があるので歪みに追従できる
  • 防水性があるので目地からの水漏れを防げる

こう言った理由から目地を作る必要があります。

外壁のコーキングの寿命や耐用年数はどのくらい?

「コーキングの寿命は何年くらいなの?」

と気になっている方もいるかと思いますが、コーキングの耐用年数は5年〜10年です。

どの場所にコーキングがあるかによって前後しますが、長くて10年ほどで、

  • 太陽光に長時間当たる
  • 寒暖差が激しい

といった場所は、5年程度で劣化することもあります。

外壁のコーキング補修が必要な劣化状態は?

コーキング材が寿命に近づいてくると、いろいろな症状が出てきます。

補修が必要な劣化状態は以下の通りです。

  1. ひび割れ
  2. 剥離
  3. 肉やせ
  4. ブリード現象

それぞれどのような症状なのか説明します。

ひび割れ

コーキングは、長年に渡り紫外線や雨などを浴び続けるとひび割れを起こします。

これらの外部要因により、コーキング材の特徴である弾力性が失わると、硬化してひび割れが発生します。

剥離

ひび割れがさらに進行してしまうと剥離(はくり)に繋がります。

剥離は、コーキングが剥がれているため、雨水が侵入しやすく危険な状態です。

また、プライマーの塗布が不十分だった場合などでも発生します。プライマーは、コーキングの密着を助ける役割があります。

肉やせ

肉やせは、コーキング材が劣化して縮んでしまっている状態で、コーキングの注入量が不十分だった場合に発生します。

パッと見ただけではひび割れと区別がしにくいですが、ひび割れとは原因が違います。

ブリード現象

ブリード現象は、グレーや黒い汚れが出てきてベタつく現象で、コーキング材に含まれる可塑剤(かそざい)が塗料と反応して起こる現象です。

表面がベトベトするため汚れが付着しやすく、放置すると塗料本来の耐久性が損なわれ、外壁の塗り替えが必要になってしまいます。

可塑剤とは、柔軟性や耐候性を加える薬品のことです。可塑は、柔らかくて形を変えやすいという意味があります。

外壁のコーキング補修をしないとどうなる?

外壁のコーキング補修をしないと、ひび割れや、目地の隙間から雨水が侵入し、雨漏り・水漏れの原因になる可能性があります。

「塗装をしているから水漏れしないんじゃないの?」

と思われるかもしれませんが、仮に塗装での防水がしっかりしていても、隙間から水が侵入することがあります。

例えば、ヤカンの底に小さな穴が空いていた場合、そこから水が漏れてしまいます。頑丈な素材であるヤカンでも、一部に破損があると役割を果たせないのです。

外壁も同じで、外壁自体が良い状態でも、コーキングが劣化して隙間ができてしまうと、そこから水が漏れてしまうのです。

ひどい場合は内装の被害に繋がるケースもある

水漏れしてしまうと、当然家の中が被害に遭います。

内装材には『石膏ボード』や『クロス』が張られていますが、石膏ボードは濡れてしまうとボロボロになり、張り替えする必要があります。また、クロスもボードと同じく張り替える必要があります。

クロスは約2年に1回商品が変わるため、既存のクロスと同じ商品がなくなります。

すると、部分張り替えでは色味や柄が変わってしまうので、部屋のクロスを全部張り替える必要が出てしまい、費用が掛かります。

他にも、フローリングや家財などに被害があると、さらに多額の費用が掛かるため、コーキング補修は非常に重要な作業です。

コーキング補修をしないで放置していると、のちにもっと多額の費用が発生する可能性があります。

外壁のコーキング補修方法は2種類ある

目地をコーキングする場合、

  1. 打ち替え
  2. 増し打ち

の2種類の補修方法があります。

ですが、ほとんどの場合は『打ち替え』を実施します。

それぞれどのような補修方法なのか説明します。

打ち替え

打ち替えとは、既存のコーキングを撤去して新しいコーキングを打つ作業です。

取り除く作業が発生するため費用がかかりますが、耐用年数が長いことから打ち替えを行うケースがほとんどです。

増し打ち

増し打ちとは、既存のコーキングをそのまま残して、上から重ねて打つ作業です。

撤去する必要がないので、費用を安く抑えられます。

ただ、既存コーキングとの相性が悪いとすぐに剥がれてしまいますので、コーキングの選定には十分注意が必要です。また、耐用年数も打ち替えに比べてかなり劣ります。

外壁のコーキング補修の費用相場

スクロールできます
補修の種類費用相場
打ち替え700~1,200円/m
増し打ち500円~1,000円/m
ひび割れ補修2,000円前後/㎡
外壁のコーキング補修の費用相場

こちらが、外壁のコーキング補修の費用相場を表にしたものです。

打ち替え、増し打ちについては先ほど説明した通り、打ち替えの方が、既存のコーキングを除去する作業が発生するため費用相場は高くなります。

また、ひび割れ補修は、モルタル外壁などの表面にクラックがある場合で、表面を削ったり、周りの浮いている塗膜を剥がすなど工程が増えるため、相場が高くなります。

コーキング材の種類によって費用の相場は多少前後します。

外壁のコーキング補修で使用する道具

コーキング補修に使用する道具は、

  1. コーキングガン
  2. カッター・皮すき
  3. マスキングテープ
  4. ヘラ
  5. ディスクサンダー

があります。

それぞれ、どのような道具かをまとめて紹介します。

コーキングガン

コーキングガン

コーキングガンは、コーキング材を装着する道具で、コーキング作業には欠かせません。根元を握る度に少しずつコーキングが出る仕組みです。

カッター・皮すき

コーキングカッター

既存のコーキングを撤去する道具で、これもコーキング作業には欠かせません。

工作などで使うカッターとは違い、コーキングを剥がしやすいように特殊な仕様になっているものもあります。

マスキングテープ

コーキングのマスキングテープ

目地にコーキングを打つ際に、目地以外にコーキングが付着しないように養生する道具です。

養生をしないとコーキングが目地以外にも付着することになり、塗装した際に段差が出て見映えが悪くなります。

ヘラ

コーキングのヘラ

コーキングを打った後に表面を平らに仕上げるための道具です。隙間を埋める役割もあり、目地にコーキングを打った後などに使用します。

ディスクサンダー

ディスクサンダー

ひび割れをコーキング補修する際に使用する道具で、摩擦により補修部分を削るのに使います。

ひび割れをコーキング補修する際は、

  • ひび割れの隙間に直接コーキングを注入する場合
  • 『Uカット工法』でコーキングを注入する場合

の2種類あります。

Uカット工法とは、ひび割れ部分にUの字のカットを入れて小さな溝を作り、溝をコーキングを打つ工法です。

Uカットを作る際にディスクサンダーを使用します。

外壁のコーキング補修の流れは?手順、工程を解説

作業の流れは以下の通りです。

STEP
カッターで既存コーキングの両端に深く切り込みを入れる
STEP
ペンチなどで既存のコーキングを引っ張りながら撤去する
STEP
両端に残ったコーキングをもう一度カッターや皮すきで削ぎ落とす
STEP
目地の両端のコーキングを打つ場所と打たない場所の境目にマスキングテープを張る
STEP
『3面接着』を防ぐためにバックアップ材を目地に詰める

3面接着とは、目地内の両端、奥の3面にコーキングを接着することです。

3面接着の状態は、3面からの引張力がコーキングにかかるため、破断やひび割れを起こしやすくなります。そのため、3面接着は避けなくてはいけません。

また、バックアップ材とは、3面接着を避けるため、目地の奥に詰めるスポンジのような材料です。

STEP
プライマーを塗布する

プライマーは、シーリング材の接着を助ける役割があります。

STEP
コーキング材を注入する

コーキングは、コーキングガンを使うことから『打つ』とも表現されます。

STEP
ヘラでコーキング材を押さえて平らに仕上げる

コーキング材が、密着するようにヘラで上から抑えます。往復させます。

STEP
マスキングテープを剥がす

このような流れで打ち替えを行います。

外壁のコーキングでよくある質問・疑問

コーキングでよくある質問・疑問をまとめましたのでご紹介します。

コーキング材に種類はある?

コーキング材の種類は、

  1. 混ぜる必要がない1成分系
  2. 2液を混ぜて使用する2成分系

の2種類あります。

その中でも、

  1. アクリル系
  2. ウレタン系
  3. シリコン系
  4. 変性シリコン系

などに分かれており、用途によって使い分ける必要があります。

乾燥時間は?

天候や場所によって異なりますが、最低2~3日かかります。

シーリングとコーキングの違いは?

結論として、どちらの呼び名でも通じ、同じ意味で使われることが多いです。

ただ、厳密には違いがあり、本来は、シーリング材という大きなカテゴリーの中で、1液型の硬化しないものをコーキングと呼びます。

外壁のコーキング補修で手抜きされないために業者さんを見るポイント

コーキングは外壁の広範囲に渡って存在します。ホームセンターで購入できるため、中には自分でコーキング作業を行う方もいます。

しかし、お伝えの通り、コーキングは水漏れに直結する部分であり、高度な技術力が必要なため、しっかりした業者さんにお願いする方が賢明です。

  1. 部材の取り扱いに長けた業者さんを見つける
  2. 国家資格を持っているか見る
  3. 依頼後のポイントは作業を見ること

手抜きをされないためにも、この3つのポイントを押さえておきましょう。

それぞれのポイントについて具体的にお伝えします。

部材の取り扱いに長けた業者さんを見つける

コーキング材には1成分系と2成分系があるという話をしましたが、2成分系の方が耐用年数が長く、費用もかかりません。

しかし、2成分系は取り扱いが難しく、混ぜ方を間違えてしまうとコーキング材本来の力が発揮できません。

また、技術力の低い業者さんの中には、

  • 既存コーキングが残ったまま新しいコーキングを打ってしまう
  • プライマーを塗布しない
  • 3面接着してしまう
  • 乾燥時間を守らない

など手抜き工事をされてしまう可能性があります。

そのため、業者さんとコミュニケーションを取る中で、コーキングの重要性を理解しており、適切な補修を行ってくれる可能性が高い信頼できる業者さんを選定しましょう。

国家資格を持っているか見る

目地補修を含めた防水工事には『防水施工技能士』という国家資格があります。

この試験は取り扱う防水資材によって実技試験が違い、コーキング作業に関する資格は『防水施工(シーリング防水工事作業)』という実技試験に合格する必要があります。

また、等級も分かれており、以下の受験資格を満たさなくてはなりません。

  • 1級…実務経験7年以上
  • 2級…実務経験2年以上

業者さんを見るポイントは、『防水施工技能士』の資格を持った人が何人在籍していて、実際に作業する職人さんは資格を持っているのかです。

ただ、一概に資格を持っているから優良な業者さんとは言いきれませんので、1つの指標として資格の有無を確認しましょう。

依頼後のポイントは作業を見ること

依頼後は、実際に作業しているのを見に行くことも1つのポイントです。

ただ、ずっと見るのは職人さんも気が散ってしまい、効率が悪くなりますのでやめた方が賢明です。

どのようなところを見るかというと、

  • 既存コーキングはきれいに撤去しているか
  • マスキングテープはきれいに張っているか
  • 新しいコーキングに穴や隙間はないか

など見るようにします。

「見てもわからないよ」

と思った方いるかもしれません。

しかし、わからなくても業者さんは『見られている』『依頼主は知識がある』という意識がある中では、手抜きできなくなります。

このように『見る』だけでも違いが生まれますので、業者さんにすべておまかせではなく、『自分でも見る』という意識を持って工事を迎えましょう。

まとめ

コーキングは、大切なお家を雨水や揺れなどから守ってくれる非常に重要な役割を果たしています。

お伝えしたいことをまとめると以下の通りです。

  1. コーキング作業とは、ひび割れや目地にコーキングを注入すること
  2. コーキング作業は水漏れを防ぐため非常に重要
  3. コーキングの寿命は約5年~10年
  4. 費用・価格は500円~1,200円/mが相場
  5. 手抜きされないために作業風景を見に行く

また、専門知識が必要な作業ですが、この記事の内容を理解した上で業者さんと話をすれば、業者さんの話も理解できますし、こちらからも鋭い質問をできます。

そうすると見積り金額の交渉にも役立ちます。

外壁塗装の成功には欠かせない作業なので、安心して任せられる経験豊富で技術力の高い業者さんを選びましょう。

ご自身で業者を探す時間が取れないものの、優良業者に施工してもらいたい方は、優良業者紹介サービスを利用するのも1つの方法です。

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